紡績大手「クラボウ」が、共産党員の社員を賃金や昇格で差別的に取り扱ったとして、大阪労働局が、大阪市中央区にある本社や岡山県倉敷市の倉敷本店などを労働基準法違反(信条による差別)の疑いで捜索していたことが27日、分かった。
職場での差別的待遇をめぐって強制捜査が行われたのは初めて。
社員の伊藤建夫さん(61)と宮崎周吉さん(55)が昨年6月、「共産党員であることを理由に、遅くとも1976年5月以降、賃金や昇格で差別を受けた」として、労基法違反の疑いで同社を大阪労働局に告訴。これを受けて同局が捜査を進め、今年1―2月、数回にわたって本社や本店、大阪府寝屋川市の技術研究所を捜索。今月26日にも前会長宅を捜索した。
強制捜査は、差別的な労務政策が会社ぐるみで行われ、悪質性が高いと同局が判断したことに加え、同局の事情聴取に対し、一部関係者が否認したことで証拠資料の押収が必要になったためとみられる。
伊藤さんは67年に入社、技術研究所などの研究員だったが、79年に総務課勤務を命じられ、芝刈りや側溝の掃除をさせられてきた。75年以降、昇進していない。71年入社の宮崎さんも、転勤や関連会社への出向が続き、職級も76年から同じままという。
この問題で、2人は同社を相手取り、学歴が同程度の同期社員との差額賃金など計約1億1200万円の支払いを求めて提訴し、昨年5月、大阪地裁は「共産党員を嫌悪し、閑職に就かせるなど処遇上不利益を与えた」と認定、会社側に計約4600万円の支払いを命じた。会社側が控訴し、現在、大阪高裁で係争中。
いまだにこんんなことがあるんだなぁ…
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