2004年10月2日土曜日

湯川れい子

湯川れい子 「反戦・平和」を基盤にズバリ切り込む歯切れのよさ (日刊ゲンダイ)
 本職は音楽評論家。女優出身で、若い頃はモデルもやっていた――と聞けば、ただの「ミーハーオバさんの余技」に見えるが、そうとは言えない。「ザ・ワイド」(日テレ)で草野仁の脇に座っているのがもったいないほど、「反戦・平和」は筋金入りだ。
 最近でいえば、「住基ネット問題」で桜井よしことともに行動し、「有事法制反対」では佐高信と一緒に呼びかけ人になっている。中学1年でレーニンの革命論を読み、中2の時にはたった一人で「学費値上げ反対闘争」を仕掛けた。
 反戦思想の根っこにあるのは18歳年上の兄の戦死だ。敗戦の年、フィリピンで亡くなった。洋楽と出合うきっかけをつくってくれた兄の死を経験してから「どんなことがあっても、戦争という暴力を許してはいけない」と誓ったという。
 もちろん、本職でも余人の追随を許さない。ビートルズを最初に紹介したのがこの人で、彼らの初来日時には5日間、同じホテルで行動をともにしている。作詞も手がけ、鋭い感性を感じさせるフレーズを並べた「六本木心中」「恋におちて」などをヒットさせている。
 コメントにはそんな背景から来る自信を感じさせる。保険金目的で夫を次々と殺した美人ママの事件では「お金だけにはワガママが通用しなかった」と切り捨て、大阪・寝屋川市の資産家男性の変死事件でも「犯人は身近な女性」と決めつけた。
「3年前には首相公邸で小泉首相と音楽談議を交わして政治面をにぎわせた。その直後でも、“個人的には好きな人だが、自衛隊の多国籍軍参加には問題が多い”と発言したのには驚いた」(政治記者)
 ただ、惜しむらくは話題を振るのが前述の草野であること。「この事件はこういうことなんでしょうね、湯川さん」と見方を限定するから、持論まで持っていく時間がかかる。湯川の“良さ”が殺されている。
 そらマッチョ草野の思惑通りに進行されてるからね。


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