世界の国々はどこも「軍隊は国民の財産だ」と考えている。だから人びとはみな軍隊という戦闘集団を大事にし、その功績には最大限の名誉で報いている。それが世界の常識だが、にもかかわらずこの国では…。世界の「常識」を持ち出して、日本を「普通の国」にしようという主張だ。よく使われる手法だね。
ともあれ日本の自衛隊が発足五十周年を迎えた。自衛隊をとりまく環境は大きく変わったとはいえ、いまなおわけのわからぬことをいう政党もある。社民党の福島党首は六月三十日の記者会見で、旧社会党時代の「自衛隊合憲」見解は変更する必要がある、と。やはり「自衛隊は違憲」へ党大会で改めるそうだ。
■「自衛隊は違憲」と福島瑞穂 が党見解を変更する模様…(朝日新聞)
自衛隊が7月1日に発足50年を迎えるに当たり、記者団が自衛隊に対する党の考えをただしたのに答えた。会見で福島氏は「日米安保条約については、その後に周辺事態法が成立し、(自衛隊の活動範囲が)極東に限らず拡大していく方向の中で、違憲と断じざるを得ないと考えた。自衛隊に関しても条文に照らせばそうだと思う」とも表明、日米安保条約も違憲との考えを示した。「自衛隊違憲発言」は、イラクの多国籍軍への参加など自衛隊が役割や活動範囲を広げた結果、憲法の枠を超えたという認識を示したものだ。「自衛隊は違憲」と言うことで、有権者が社民党離れをするのではないか。それとも、「自衛隊違憲」とする少数票を共産党と奪いあうのが目的なのか。この発言をしたからといって新たな票を獲得できるとも思えない。自衛隊の必要性を疑う者は少ない。「違憲」ならば「憲法改正すればいい」ということになるわけで、自分の首をしめているようなものだ。
今後の自衛隊について福島氏は「北東アジアで安全保障機構を作る中で、国境警備隊や災害救助隊に発展的に役割を解消していく」と述べた。
■「北東アジアで安全保障機構を作る」というのも、どうかと思う。将来的に目指す方向としては正しい。そうすることで国家間での戦争を解消することができる。だが、それには膨大な政治的労力を要するだろうし、なによりも、北朝鮮という「脅威」を前に、多くの国民はそれを「非現実的」と一蹴することだろう。
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