2004年7月3日土曜日

フセイン裁判

■中央日報/噴水台「フセイン裁判」
問題は、主犯であるヒトラーが既に命を絶っている点、そしてナチの具体的悪行を罪として明示した現行法が不足していた点だった。ヒトラーの部下らは、死んだ総統に責任を押し付けた。罪刑法定主義の原則に従えば法の網を潜り抜ける悪行が多く、新たな法を作るとなれば、遡及適用が問題となる。ニュルンベルク法廷は、全く新たな領域を開拓していった。命令に従ったとしても、悪行の究極の責任は個人にあることを確認した。ユダヤ人虐殺のような反人倫的犯罪行為には、国境という空間的制限、公訴時効という時間的制限がないことを明言した。

「20世紀の裁判」ニュルンベルクの決定は、続々に、国連によって国際法として文書化された。これにより、イスラエルは数十年にわたってナチの戦犯を追跡し法廷に立たせることができ、ミロセビッチ元ユーゴ大統領は特別法廷に立たねばならなかった。国際戦犯裁判を常設化するための国際刑事裁判所(ICC)設立も、1998年のローマ協約で表面化した。

��日、法廷に立つサダム・フセイン元イラク大統領は国際戦犯だ。化学武器を使った戦争犯罪、クルド族やシーア派への反人倫的犯罪などは、すべて処罰の対象となる。ところが主権委譲により、裁判管轄権をイラク臨時政府が行使する。フセインは国際戦犯でなく、イラク国内法で扱われる刑事犯となった。臨時政府は、フセインを引き渡され、米軍が禁じてきた死刑制を復活させた。行く末はいずれ決まるだろう。その過程が戦争の正当性を補完し、イラク民主化の証明となるかどうかが注目される。9・11以降、変化した21世紀型の戦犯裁判だ
 いかにフセインが悪い奴であるかをアピールする「裁判」が開かれる。だが、それによって「ブッシュの戦争」を正当化してよいものだろうか。


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