2004年8月2日月曜日

派閥政治の終焉?

毎日新聞・社説「橋本会長辞任 やっと迎えた派閥政治の終焉」
 自民党は55年の結党当時から、派閥の連合体であった。それぞれの派閥は領袖を総理・総裁に押し上げようと競い合っていた。
 半面、非公式な組織である派閥は「党中党」的存在となり、弊害が目立つようになった。不明朗なカネと政治との関係が金権政治などと呼ばれ、世の指弾を浴びた。「政・官・財」によるもたれ合いは、族政治をはぐくんだ。
 だが、自民党内では派閥政治は当然視されていた。「田中派支配」「竹下派支配」などと形容された権力の二重構造も、一向に是正されなかった。田中角栄元首相は「わが派は総合病院」と豪語していた。あらゆる陳情に対応できる族政治のスペシャリストをそろえているというのだ。橋本元首相も“厚生族”としてまず台頭した。
 しかし、リクルート事件や東京佐川急便事件を契機に「政治改革」が叫ばれた。その結果、衆院の選挙制度が改められ、政党助成金が導入された。以来、派閥は衰退傾向にあった。小泉純一郎首相も組閣などでは、あからさまな派閥順送りや当選回数主義を排し、派閥衰退を加速させた。
 橋本元首相は辞任したが、派の後継会長は決まっていない。最大派閥のトップは不在だ。派閥政治の終焉ととらえるべきだ。同時に、「政治とカネ」との不明朗な関係も、依然として根絶されていないことも浮き彫りになった。
 橋本派の危機は自民党の危機でもある。派閥に代わる公正で透明な党のシステム作りを急がなくては、危機は深まるばかりだ。

 そう簡単に「派閥政治の終焉」などといえるのだろうか…


0 件のコメント: