2004年8月8日日曜日

NIES少子化問題

��IESで進む少子化 ペース日本以上、対策急ぐ(朝日新聞)
 韓国、台湾、香港、シンガポールで急激な少子化が進んでいる。日本では、年金改革の前提が狂うとして、昨年の合計特殊出生率「1.29」が社会にショックを与えたが、4カ国・地域ではすでにこれを下回っている。かつて新興工業経済地域(NIES)とされた地域だが、日本同様、家族構成の変化や女性の社会進出、高学歴化による教育費の高騰などが原因と指摘されている。学校が余るなどすでに影響が出ており、各地域とも出産に奨励金を出したり、移民を受け入れたり、と対策を急いでいる。

 昨年の出生率は、香港が0.94、台湾が1.24、シンガポールは1.25、韓国は02年で1.17だった。

 いずれも日本以上に短期間に急激に落ち込んでいるのが特徴だ。

 香港では71年、3.46だったが、80年に人口が維持できる2.1を割り、98年は0.99と1を割り込んだ。台湾では91年は1.72だったが01年に1.4に。早ければ16年に人口増加が止まり、21年からは本格的な人口減少が始まるとの予測も。

 韓国でも73年の4.1から急降下。このままでは17年をピークに人口減に転じ、2100年には1621万人と現在の3分の1の水準になるとの試算もある。

 「人生には男性も女性も愛し愛される経験が必要です」

 シンガポールのラジオでは、こんな広告がしきりと流れる。未婚の若者のための官製お見合いプロジェクト「ロマンシング・シンガポール」への参加呼びかけだ。豪華な夕食会や、お見合いクルーズ、セミナーなどが独身男女に用意される。

 このほか大学卒業者は登録すると2年間、「社交発展ユニット」のメンバーになり、お見合い夕食会やダンスレッスン、小旅行などに低価格で参加できる制度もある。

 同国の少子化対策の歴史は古い。84年には高学歴の女性に限り出産に伴う所得税減税を実施した。現在では2人以上を産んだ場合、母親の年齢や夫婦の収入によって、最高で計2万シンガポールドル(約128万円)まで減税される。

 出産に奨励金を給付する「ベビーボーナス制度」も対策の柱だ。第2子には最高計3000ドル(約19万2000円)、第3子には計6000ドル(約38万4000円)が6年間で支給される。

 しかし、こうした各種の措置にもかかわらず出生率は下げ止まらず、8月中にも追加の少子化対策を発表する方針だ。

 韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は先月、「子供か仕事かという女性の悩みを解決しなければ出生率も上がらず、経済も成長しない」と述べ、保育予算への優先配分を訴えた。

 公共保育施設の増設や産休、育休時の給与補助を検討中だ。従来は人口抑制のため、避妊手術に医療保険が適用されてきたが、7月から避妊処置の復元手術にも保険が適用されるようになった。

 自治体でも「出産時に1人当たり30万ウォン(約2万9000円)の養育補助支給」(全羅南道)、「3人目以降の保育料全額負担」(ソウル市)などの支援策を進める。

 台湾では、中国やベトナムなどに花嫁を求める男性が急速に増えている。当局は、今後10年間で30億台湾ドル(約100億円)を投入し、東南アジア出身者に中国語による教育を受けさせるなどの政策を7月31日に発表した。

 一方、最も出生率の低い香港では、少子高齢化に対する危機感は薄い。国民総年金の制度がなく、中国大陸から若い移民の流入が続いており、現在680万人の総人口は30年後には838万人に増加すると見込まれるからだ。福祉財源の問題が深刻化する可能性は低く、福祉の人繰りも、フィリピンやインドネシアからの家事労働者を認めていることから不足の心配はないとみられる。

 女性の高学歴化や晩婚化、仕事と育児を両立させる環境が整わないことなど、社会的な背景は日本とも共通する。中国返還前の香港では将来の不透明さが出生率の低下につながったとの指摘もある。97年のアジア経済危機では、いずれの地域も失業率が上がり、婚姻数や出産数が落ち込んだ。

 韓国では深刻って聞いてたけど、やっぱ社会が成熟すると「子供の効用」も小さくなるのかね。一方で、コストも増大するし。


0 件のコメント: